2015年4月18日岳智会「第45回新人吟詠発表会」レポート

4歳の生徒さんとお着物でおそろい

2015年4月18日(土)に岳智会『第45回新人吟詠発表会』が府中中央文化センターで開催されました。ナチュラル詩吟教室の生徒さん4歳〜70代までの有志16名が出吟しました。


新人発表会は、雅号を持たない新人さんたちの発表会で、詩吟を始めて間もない方から4年目くらいの方が発表するものです。コンクール形式になっており、精進賞2名、努力賞1名が選ばれます。別枠で「少年・少女吟詠」もあり、高校生以下の発表の場でもあります。


以下、発表されたみなさん。一人の声とその詠み上げられた詩だけが会場に響きます。
















ナチュラル詩吟教室から精進賞が2名選ばれました

初舞台の方も多いなか、みなさん間違えることもなく大変堂々と吟じられました。


終了後の打ち上げでは、ぱーっとお酒を呑みながら発表会の感想を言い合ったのですが、「初めての経験ができて楽しかった」、「スポットライトを浴びるのが好きかも。ハマりそう」、「また来年がんばります!」などの意見があがりました。


中でも印象的だったのが、詩吟を始めて半年ほどの20代の生徒さんが、目を輝かせて、「ほんっと楽しいです」と言ってくれるので、「どうしてですか?」と聞いてみると、え?そんな当たり前のことを聞かれても困る、といった表情ののち、うーんと考えて、


「普通の歌とか、カラオケとかと全然違う。」


「どこがですか?」


 また、うーんと考えて、


「全身を使わなくちゃいけない。カラオケはそこまでしなくてもできる。」


「カラオケは決まった音で歌わなくちゃいけない。それがあまり好きではない。」


「詩吟は自由に歌える。好きなように声を出して受け入れられる。」


歌うといえばカラオケ全般だった(しかもそれがあまり楽しくなかった)彼女にとって、詩吟が大変新鮮で、とっても楽しい行為なのだそうです。


なるほど〜、と思ったのですが、確かに、私が習ってきた今回の発表会の会でもある岳智会ないしその流派では伴奏がつきません。合奏という音楽のスタイルをとらないので、自分自身で音をコントロールすることができます。


ここで、改めて大切なことに気付きました。


それはどういう事かというと、


音楽という時間芸術の基本的な概念にある、音楽は未来から流れてくる、という視点からみると、詩吟は、未来を自分自身たった一人で生み出すことができる、ということです。



しかし、何でも自分勝手に歌えばいいかというと、もちろんそうではない。



たった一人で音を紡ぎ出すということが、実は一番難しいことでもある。



詩吟に正面切って立ち向かっている彼女は言います。



「友だちや同世代の人に『詩吟を習っている』というと、全然わかってもらえなく悔しい。」


曰く、「詩吟はもっと大変なものなのだ」、と。 



彼女にとって詩吟は、一言では言い尽くせないもの。難しい、簡単にはできない、ということも含めて詩吟は楽しい、ということなのだそうです。


帰り際、私だけに聞こえるような小声で、彼氏に「子どもに詩吟をやらせたい」と言ったら、「いいよ」って言ってくれたんです〜、とニヤニヤしていたので、コンニャロメと思いながらも、何だかこちらも嬉しくなってしまいました。


子ども達もたくさん吟じました

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